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「立地はあまり関係ない」

 当初は認知度も低いため、なかなか入居が進まなかったそうだが、この5年間で地道に入居率が上昇した。入居者の平均年齢は72歳で、男女比はおおよそ4対6。また、単身・夫婦の世帯比率では圧倒的に単身者が多く「単身の方でリタイアし、自宅で一人で暮らすという状況下で、やはりこうしたコミュニティーの必要性が響いたのかなと感じている」と分析した。

入居者会員の属性。単身者の世帯比が多い
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 施設のデザインを洒落たものにする、豊富な食事メニューを用意する、多種多様なアクティビティ/サークル活動を促進する、といった民間ならではの企業努力も怠らない。アクティビティには太極拳や和太鼓、ビリヤード、写経、Word講座など、サークルには健康麻雀クラブや囲碁クラブ、合唱クラブ、バンドサークルなど、実に多彩な内容を揃える。

 「こうした日常的な活動以外に、クリスマスパーティーや合唱の披露の場といったさまざまな年間行事を通じて会員同士が触れ合う時間を数多く設けている。さらに、皆さんの自主的な活動の発表の場も、どんどん作る。そうすることで、この施設の中で楽しく暮らしていけるような支援をしている」(染野氏)。

 千葉市は首都圏に属するとはいえ、染野氏によれば「当施設は駅から5km離れていて、バスで20分以上かかる。はっきり言って地方都市と大差はない」という。それでも700人が暮らすコミュニティーに育った理由として「やはりコンテンツが重要だった」と述べた。

 「初年度が50人、翌年が100人程度。当時は人間関係が濃く、いさかいやグループ同士の仲違いなどもあり、非常に大変だった。だが300人を突破した頃から、ようやく人間関係が円滑になり、さまざまなサークル活動が自主的に生まれるようになってきた。実は少人数で人間関係が濃すぎると、我々も会員もストレスを抱える。思うに、立地はあまり関係ないのではないだろうか。要は、誰とどう暮らすか。それが一番重要だろう」(染野氏)。