「専任」技術者の配置が必要

 建設業法は、建設業者に対して、工事現場ごとに、工事の規模等に応じて、「監理技術者」又は「主任技術者」の「技術者」の配置を要求している(建設業法26条1項、2項)。そして、太陽光発電設備については、「専任」の技術者の配置が要求されており、他の現場と兼任しない「技術者」を配置する必要がある(建設業法26条3項、建設業法施行令27条1項2号、同15条3号)。

 元請業者の中には、建築主の承諾を受けて、他の工事業者に丸投げをする事業者もある。建築主の書面による承諾を受けている場合には一括下請負も適法であるが(建設業法22条1項、3項)、建設業法上、技術者の配置義務を免れることはできないため注意が必要であろう。

 このような各種規制があることから、建設業法上の許可を回避するなどの目的から、適切な建設業許可を有しない事業者が、自ら建築主として太陽光発電所を建築して販売するという「分譲型」という取引類型も存在している。このような「分譲型」は、必ずしも低圧案件に限らず、メガクラスの高圧案件等でも存在しているようである。

 このような「分譲型」は、この「分譲業者」の「下請業者」が建設業者としての責任を果たすものであり、違法というものではない。

 もっとも、太陽光発電所は、その敷地が「宅地」に該当しない場合には、宅建業法が適用されない場合が多い。結果として、重要事項説明もなされることもなく、宅地建物取引では許されないような「青田売り」や、宅建業者と一見して類似した書式を用いながらも、宅地建物取引では考えられないような、売主側に有利な規定が混在している場合もあるため、特に慎重に確認する必要があるだろう。

 工事業者が建設業法違反をおこしてしまった場合でも、太陽光発電所を建築する事業主は、建設業法上のサンクションを受けるものではない。もっとも、違法行為に関与してしまうという点において、コンプライアンス上、重大な問題がある。また、「技術者」の配置義務違反が発覚した場合には、技術者の手配等に時間がかかるため工事が中断してしまう場合がある。

 もとより、建設業法が要求する各種の資本要件・技術要件を有しないことから、自ずと、品質に問題がある場合もある。この建設業許可の有無や種類については、国土交通省が提供しているウェブサイトにおいて検索することが可能である(http://www.mlit.go.jp/index.html)。

太陽光発電所の建築には、建設業許可が必要となる(出所:日経BP、写真はイメージで本文の内容とは関連はありません)
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