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講演する元木氏
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医療画像分析にも乗り出す

 (2)の診断支援では、「Watson for Oncology(がん診断支援)」の取り組みが先行している。肺がんや乳がん、大腸がんなどの治療方針の策定を支援する使い方だ。代表的な導入先が米国有数のがん専門病院、Memorial Slone Kettering Cancer Center。ここでは「電子カルテがいわば“質問文”となり、それを基に患者の治療にとって重要なポイントをWatsonが整理していく。例えば、こんな検査をしてはどうかといった提案をしたりする」。

 特徴的な機能が「エビデンスボタン(evidence button)」と呼ばれるもの。治療方針について何らかの提案をする際、その根拠となる症例を示す機能だ。これはWatsonが学習した膨大なデータの賜物であり、「新しいデータや報告の学習に割ける時間が限られている、医師の仕事を補完する」ものだ。

 このほか、過去の診断情報から重要な情報を抽出してサマリーを作る「EMR Advisor(電子カルテアドバイザー)」を開発中という。X線CT装置やMRIで撮影した医療画像の解析に基づく診断を支援する「Analytics of Medical Images(医療画像分析)」の開発にも着手した。「Medical Sieve」と名付けたプロジェクトで、医療画像とテキストデータの分析に基づく診断支援技術を開発する。Watsonが「いよいよ画像を扱うようになる」。

 (1)と(2)にまたがる領域では「Watson Genomic Advisor(ゲノム解析アドバイザー)」と呼ぶ取り組みを進めている。いわゆる個別化医療への適用を狙うもので、患者の遺伝子解析結果と、疾病や治療薬、他の遺伝子との関係をレポートしてまとめる。米国の医療機関などで先行して実証を進めており、「日本でも展開したいソリューション」だという。

 (3)の顧客サポートについては、「Watson Engagement Advisor」や「Utilization Management」を展開中だ。前者は、患者や医師からのさまざまな問い合わせに対する応答の支援、後者は医療保険の適用に関する事前承認審査の自動化支援を指す。WellPoint社との提携の狙いの1つは、この後者の取り組みにある。