PR
講演する元木氏
講演する元木氏
[画像のクリックで拡大表示]

“小さなWatson”が遍在する世界

 医療・ヘルスケア分野での最近の大きな発表として紹介したのが、「IBM Watson Health」部門の立ち上げと、ヘルスケアクラウドにおける米Apple社などとの提携である(関連記事3)。ここでは「医療関連のデータを集めてパブリッククラウドを構築し、蓄積したデータをエコシステムパートナーとの協力の下で活用していく」。Apple社とIBM社はかねてモバイル分野などで協力関係にあったが、今回はヘルスケア分野に協業を拡大。同分野でのApple社との協業は「日本でも進めたい」とする。

 Watsonなど、いわゆる人工知能システムに対しては“人間の仕事を奪う”といった否定的な見方がされることも少なくない。こうした見方に対して元木氏は、IBM社はWatsonを「人間の知能を補い、拡張するツールと位置付けている」と話す。

 将来は「IoT(internet of things)の世界に(さまざまな領域の)専門家としての“小さなWatson”が多数存在する。そんな世界が来るのではないか」。ここに向けて、Watsonの多言語対応や対話への対応、パーソナライズ(相手に応じた対応)などを進めていく考え。長期的には「ディベートができたり、感情や行動を分析してその文脈までを活用できたりすることを目指す。ニューロチップや量子コンピューターといった新しいコンピューティング技術の開発も並行して進めていく」。