「BOT」方式のスキームに近い官民連携

 金丸社長は、5年リース方式は、PFI(民間資金による社会資本整備)の手法の1つである「BOT(建設・運営・移管)」に似ているという。BOTとは、PFI事業者が資金を調達して施設を建設(Build)し、契約期間にわたり運営(Operate)して資金回収した後、公共側にその施設を移管(Transfer)する方式のことだ。公共にとっては、民間の資金で施設を建設した上、事業開始当初のリスクを回避しつつ、効率的な運営が確立した後に、設備と事業を引き継げるという利点がある。

 一般的なPFI事業では、SPC(特定目的会社)を設立して事業主体となり、そこにプロジェクトファイナンスの手法で民間から融資を受ける。借入金の返済原資はSPCの事業収益に限定され、事業リスクはSPCが負うが、民間ならではの効率的な事業運営によって収益の最大を目指す。

 これに対し、包括的施設リース方式を活用した羽生市の太陽光発電事業では、SPCを設立せず、借り手の自治体が事業主体となるので、事業リスクは自治体が負うことになる。ただ、運営・管理は事実上、委託した企業に任され、民間側に効率的な運用に取り組むインセンティブが働くという点で、PFIと同じ側面がある。

 加えて、自治体が事業リスクを負うといっても、FITによる太陽光発電事業の場合、20年間、売電単価が固定され、発電さえすれば確実に売電できるなど、リスクの範囲は極めて限定的になる。包括的施設リース方式は、PFIの目的である「民間の資金と運営ノウハウを活用して、公共的な事業の効率性を高める」と同様の効果を持ち、5年リースによって無償譲渡を受けた場合、自治体にとっては、BOTと同じように、民間資金の活用や初期リスクの回避、運営業務の効率化という利益を享受できる可能性がある。