太陽光パネルは、世界のさまざまな地域で使われている。スペインやイタリアのように、比較的、雨が降らない地域もあれば、日本のように高温多湿の地域もある。
例えば、海岸沿いなどでは、塩霧が樹脂製バックシートを腐食する。この結果、湿気が侵入することになる。湿気が樹脂製バックシートを損傷し、透水率が1日あたり1~3g/m2まで高まってくる。こうした現象が、日本のような湿度の高い地域で生じると、トラブルにつながる恐れがある。
樹脂製バックシートに起因するトラブルの一つに、気泡が入り込んだように見える現象がある(図2)。太陽電池セル(発電素子)とカバーガラスの間に、空気が入り込んだような白色の部分が生じる(図2中)。
この現象は、カバーガラスの裏面側にある、ハチの巣状の構造が、太陽電池セルから離れてしまうことによって生じることがわかっている。樹脂製バックシートが含む水分の影響と考えられている。
また、樹脂製バックシートは、有機材料の宿命として変色したり、亀裂などが発生したりする恐れもある(図2右)。バックシートの経年劣化によるもので、これは無機材料で封止していれば、起きにくいことと言える。
(次回は、7月23日に掲載予定)