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 自分が患者になったときのことを想像してみてください。自分の目の前にいる医師の後ろには世界中の医師の知見・経験があると思うととても安心します。医師にとっても自分一人の経験だけでは分からないことがあった時に、参考になるデータや経験豊富な医師にいつでもアクセスすることができる環境があるというのは、とても安心感があるのではないでしょうか。もちろん、個人情報の取扱いやセキュリティーといった課題には正面から取り組む必要があります。それでも、患者、そして自分の命が救われるのであれば、これらは医療機関や患者が一緒になって解決すべき課題だと考えています。

 先日、政府がまとめた「日本再興戦略 改訂2015」の中で、2018年までに400床以上の病院の電子カルテ導入率を90%以上にするという発表がありました。しかし、中規模以下の病院・診療所の電子カルテ導入率はまだまだ半分にも及びません。冒頭に述べたような電子カルテのRe-Designが進み、これまで以上のスピード感で電子カルテが普及していくことによって、電子カルテを媒体として世界の医師がつながるという次のステップへと発展していくことができると期待しています。一つのツールが医療の世界を大きく動かすきっかけになるかもしれません。

 電子カルテのRe-Design構想の連載は今回が最後になります。拙文にも関わらずここまでお読みいただき、ありがとうございました。また、貴重なご意見を寄せていただいた医師の方々、電子カルテベンダーの方々に心より御礼申しあげます。

 この連載をしている間にも医療や医療システムを取り巻く環境は大きく変化しています。私自身、医療業界の中の人の一人として、これまでに述べてきた理想論に近づくことに少しでも貢献していきたいと考えています。