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日経ものづくり タグチメソッド

タグチメソッド

第3回 開発・生産への適用
部品設計から生産に至る
一貫した活用で技術課題を解決

立林 和夫
富士ゼロックス 開発管理本部 開発管理部 品質工学チーム長

今回は,事例に基づき,タグチメソッドの開発・生産への適用イメージを紹介してもらう。題材として取り上げるのは,プラスチック歯車の高精度化への取り組み。部品設計,金型設計,射出成形条件の設定,成形品の冷却方法の設計といったさまざまな工程で,一貫してタグチメソッドを適用し,効果を上げた事例だ。(本誌)

 技術・製品の開発から生産工程の条件設定まで,一貫してタグチメソッドの適用を試みたメーカーがある。関東地区の3県に工場を持ち,従業員が450人で売上高が200億円ほどの中堅企業だ。主力製品はプラスチック射出成形品だが,近年は近隣諸国に押されて売上高が頭打ちとなり,生き残りの手段として「製品の多角化」「高精度成形品への脱皮」を図っている。
 製造している製品の中には,図1のような小型プラスチック歯車がある。この種の歯車は,事務機器などで利用され,事務機器の小型・軽量化に伴って高精度化が要求されている。「噛み合い精度でJIGMA1級,さらには0級のものを製造できれば,国内および近隣諸国の競合企業に対して優位に立ち,売り上げを伸ばせる」と同成形メーカーは考えていた。
 噛み合い精度1級,さらには0級のプラスチック歯車を製造可能とするには,解決しなければならない技術課題があった。(1)成形時の変形が生じにくい歯車形状そのものの設計(2)成形時の変形が生じにくい冷却を考慮した金型設計(3)成形時の変形が生じにくい射出成形条件の設定(4)金型から取り出した製品の冷却方法の設計―の四つである。
 同社は,これら四つの技術的課題に対して,パラメータもノイズも異なる四つの実験を段階的に実施し,それらの実験を通じてプラスチック歯車の高精度化を実現していった。

日経ものづくり 特報
図●小型プラスチック歯車の例