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日経ものづくり トヨタ生産方式の真髄と新展開

新シリーズ
第2回

ジャストインタイムと自働化

五十嵐 瞭
中部産業連盟 常務理事 
主幹コンサルタント

トヨタ生産方式を成功させるための2本柱はジャストインタイムと自働化だ。ジャストインタイムが達成できれば,顧客の受注に迅速に対応できるために,在庫を極力持たなくて済む。また自働化を指向することで,問題点が素早く顕在化し,生産効率の良いラインが構築できる。(本誌)


 前号では,トヨタ生産方式の概要を図で説明するとともに,トヨタ生産方式とはムダ,特に「つくりすぎのムダ」(在庫の過大)を排除して,原価低減や市場優先型生産体制を実現することが目的であると説明した。連載2回目となる今号では,この目的を達成するための手段・方策の2本柱「ジャストインタイム」と「自働化」の,考え方・思想について解説する。

タイミングが原価には影響大
 ジャストインタイムとは,必要なものを必要なときに必要なだけつくる(あるいは運ぶ)ことをいう。ジャストインタイムが実現できれば,在庫をあまり持たずに市場(顧客)の多品種・少量・短納期などの要望に対応できる。
 製品を生産する上で,考慮すべき主な要件としては生産量,品質,生産日程があるが,このうち生産日程を決める際に重要なことはつくるタイミングである。というのも,
●製品を市場に投入するタイミングが遅れると売れ残ってしまい,在庫を抱えることになる。また,部品をラインに投入するタイミングが遅れるとラインストップなどが発生して,生産効率が悪くなる。いずれの場合も,結果として原価が増大する。
●一方,製品の場合でも部品の場合でも投入するタイミングが早すぎると,そこで停滞が発生。この停滞はあらゆるムダを隠してしまうので,結果として原価が増大する。
 このように,つくるタイミングは生産量と品質と同様に,加工原価に大きな影響を与えるのだ。生産する上では,量と質,そしてタイミングが極めて重要となってくる。