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 カラー・ディスプレイを搭載した携帯電話機が登場したのは1999年。この時を境に携帯電話機はリッチ・コンテンツの利用やカメラ内蔵,テレビ機能搭載といった高機能化へ一気に舵を切った。携帯電話機へのカラー・ディスプレイ搭載を可能にしたのは,バックライトに使える小型で高輝度な白色発光ダイオード(LED)である。赤色LEDや青色LEDでカラー液晶パネルを照らすのでは,カラー画像は得られない。  白色LEDの方も携帯電話機を足掛かりに,応用範囲を広げてきた。バックライトへの採用はデジタル・カメラや携帯型のゲーム機などの小型液晶パネルから始まり,ノート・パソコンやカーナビのような中型以上の液晶パネルまで広がった。次に狙うのは照明や自動車用ヘッドランプへの応用だ。既に家庭の白熱灯や蛍光灯を置き換える製品やHIDランプを代替する試作品を開発済みである。  白色LEDのメリットは三つ。小型,高い耐久性,低消費電力である。白色LEDは大きくても10mmに満たない。輝度寿命は4万時間と長い上,半導体素子なので機械的な衝撃に対して強い。発光効率は最近,急速に向上しており,2006年には100lm/Wの製品が登場する。これは最も発光効率が優れるHIDランプ以上の水準で,同じ明るさを得るための消費電力は間もなく,各種光源の中で最も少なくなる。