フラットパネル・ディスプレイ市場は液晶パネルを中心として,ノート・パソコン,パソコン用モニター,そして最近ではテレビといった3大用途を軸に急拡大を続けてきた。これを受ける形で,ここ数年のSIDではテレビ向けの画質改善技術の発表や展示が相次ぎ,注目が集まっていた。
しかし,テレビ向けの画質に一定のメドが立ち始め,主要な競いどころが「価格」に移行している今,技術開発の多くの視線は「テレビの次」に注がれていることが,あらためて浮き彫りになった。
ただし,電子ペーパーや新光源のプロジェクターは,まだ大きな市場につながる用途を見つけたわけではない。技術開発を一歩一歩進め,本格的な離陸に向けて模索している段階である。「テレビの次」を探す技術の提案は,しばらく続きそうだ。 (小谷 卓也)