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 2006年6月4~9日に米国サンフランシスコで開催されたディスプレイの学会/展示会「SID(Society for Information Display) 2006」の話題の中心は,電子ペーパーや,発光ダイオード(LED)・半導体レーザを搭載するプロジェクターなどの次世代技術だった。テレビに次ぐ新たな用途を切り開くという期待があるからだ。

 フラットパネル・ディスプレイ市場は液晶パネルを中心として,ノート・パソコン,パソコン用モニター,そして最近ではテレビといった3大用途を軸に急拡大を続けてきた。これを受ける形で,ここ数年のSIDではテレビ向けの画質改善技術の発表や展示が相次ぎ,注目が集まっていた。

 しかし,テレビ向けの画質に一定のメドが立ち始め,主要な競いどころが「価格」に移行している今,技術開発の多くの視線は「テレビの次」に注がれていることが,あらためて浮き彫りになった。

 ただし,電子ペーパーや新光源のプロジェクターは,まだ大きな市場につながる用途を見つけたわけではない。技術開発を一歩一歩進め,本格的な離陸に向けて模索している段階である。「テレビの次」を探す技術の提案は,しばらく続きそうだ。 (小谷 卓也)