一つは組み込みシステム技術協会(JASA)が主催する「組込みソフトウェア技術者試験」,もう一つはT-Engineフォーラムとトロン協会が主催する「TRONエンジニア試験」,最後がソフトウエア設計に使うモデル記述言語UML(unified modeling language)の策定で知られる米Object Manage-ment Group, Inc.が主催する「OCRES」である。前の二つの試験の仕掛け人の一人である東京大学 教授の坂村健氏は「技術者の能力を正当に評価する客観的な基準になる。技術者の地位向上に必ず役立つ」とその意義を説明する。
組み込みソフトウエア技術者を対象とした資格試験としては,経済産業省が主催する情報処理技術者試験の一つとして「テクニカルエンジニア試験(エンベデットシステム)」が従来からあった。だが,この試験の合格にはハードウエアとソフトウエア両方に関して幅広い知識が必要で,「多くのソフトウエア技術者にとっては敷居が高すぎた」(JASAで技術者試験の企画を担当するイーソル 社長の澤田勉氏)。