進化するインタフェースが
新次元の色表現を可能に
24ビットで1677万色の表現ができれば十分。デジタル民生機器で,そんな常識が通用しなくなる。 薄型テレビ,家庭用ゲーム機,DVDプレーヤー,パソコンといった機器が,30ビット・カラーや36ビット・カラーへの対応を加速させているからだ。口火を切ったのは「HDMI 1.3」や「DisplayPort」といった新インタフェースの登場。最大48ビット・カラーの色情報を伝送することが可能になる。「絵作り」の担い手が表示装置から出力装置に移行するといった変化が起こり得る。
第2部<表示技術>
多階調へと突っ走る
液晶パネルは各色10ビットへ
ユーザーが鑑賞する映像のキレイさを最終的に決める表示装置。2006年後半から,「ポスト24ビット・カラー」に向けた動きが加速しそうだ。パネルの性能向上に伴い高まっていた多階調化の機運を,新たな入出力インタフェースの登場がダメ押しする格好である。液晶パネルはまず,テレビ向けが先行して各色10ビットになる。そして,パソコン用ディスプレイや携帯機器などさまざまな用途へ波及する。 PDPやプロジェクターなども,さらなる多階調へと歩みを進める。
第3部<規格概要>
パソコンとAV機器を視野に
せめぎ合う次世代仕様
次世代の映像伝送用インタフェースの標準となるべく,三つの規格が名乗りを上げた。VESAが策定した「DisplayPort 1.0」,HDMIの次世代版「HDMI 1.3」,Intel社が中心に策定した「UDI 1.0」である。 三つのインタフェースの仕様には,策定に当たった企業の戦略が反映されている。パソコン市場とAV機器市場のどちらを中心に普及を目指すかによって,最大データ伝送速度やEMI対策の手法などが異なる。