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日経オートモーティブ イベントレポート

人とくるまのテクノロジー展2006
機構部品を小さく軽く
カメラやレーダで歩行者認識

2006年5月に開催された「人とくるまのテクノロジー展2006」(主催:自動車技術会)で元気だったのは、動力伝達系を中心とする機構部品だ。枯れた技術の代表のような分野だが、小型・軽量化、低コスト化、そして摩擦損失の低減と、まさに機械技術の王道を行く進化ぶりを見せた。このほか、カメラ・レーダを使った歩行者認識技術や、小型・低コスト化の進んだ計測技術などが注目を集めた。

動力伝達部品の小型・軽量・低摩擦化

 ジェイテクトは、ハブとドライブシャフトを一体化したモジュールを出展した。低コスト化、軽量化が可能になるのが特徴。今後完成車メーカーに採用を働きかける。
 従来のハブとドライブシャフトは、スプラインが切ってあるドライブシャフトをハブに差し込み、ナットで締め付けることで固定していた。これに対し、開発したモジュールでは、ハブとドライブシャフトは、スプラインに加え、かしめにより結合されており、ドライブシャフトのハウジングがハブベアリングの内輪の一部を構成するなど、両者が一体化している。
 ドライブシャフトの内側を中空にするなどにより、ハブを含む質量は従来比で12.7%(1080g)減り、部品点数が減ったことでコストは8%下がるという。軸方向の寸法も従来より22.4 mm短縮できるのでキングピンオフセット量を縮小でき、等速ジョイントの作動角が減るので振動・騒音の低減にも貢献する。
 NTNは多彩な新型動力伝達系部品を出展した。同社は三つのローラが溝の中を移動することで、振動を吸収しながら駆動力を伝える低振動の等速ジョイント「PTJ」を商品化しているが、今回はその改良版を展示した。一つは振動吸収特性を維持しながら従来よりも小型・軽量化を図った「EPTJ」。外輪の外径を従来より4%小さくすることで、質量を8%低減した。作動角は26度で、PTJと同等である。

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図●会場内の様子