TDK 代表取締役社長
2006年6月,社長に就任した上釜健宏氏は,入社以来,一貫してHDDのヘッド開発に携わってきた。18年間,香港を拠点に活動してきた。2001年にHDDヘッド事業の責任者となり,わずか4年で売上高を4倍に伸ばし,TDKの主力事業に育て上げた実績を持つ。 自身のことを本来は人見知りする性格と分析するが,ビジネスの現場ではいかに相手の懐に飛び込むかということばかりを考えてきたという。顧客の本音を引き出すコツは,プライドを捨て,格好をつけないことだとする。
——これまで一貫してHDD用磁気ヘッドの開発を手掛けてきましたが,そこでの経験は今後の事業戦略にどのような影響を与えるのでしょう。
顧客ごとに対応したカスタム品を手掛けていきたいと考えています。顧客と一緒になって汗をかくことで,次の製品戦略が見えてきます。カスタム品に注力することで市場が今何を欲しているのかを正確につかむことができますから,標準品への展開も容易になるわけです。