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照度センサは,可視光の有無や強度を検知して,照明や液晶パネルなどの明るさを自動調節するといった目的で利用されている。赤外線領域の感度を抑制している点で,Siフォトダイオードなど光センサ一般とは区別されている。こうした用途には従来,安価であることから「CdSセル」が用いられてきたが,Cd(カドミウム)を含むため,RoHS指令で欧州などでは2006年7月に使用禁止になった。一方で照度センサの需要は,液晶テレビや携帯電話機などの消費電力削減が課題になる中,拡大の方向にある。現在は,フォトダイオードやフォトICなどが,分光感度の設計や小型化などでしのぎを削っており,CdSセルの単なる代替品という位置付けを超えて用途の幅を広げつつある。 (野澤 哲生)

 「2006年6月にCdSセルの製造を中止した当社には,代替の照度センサを提供する義務がある」(浜松ホトニクス 固体事業部 固体営業部 営業推進G 主任部員の砂子有矢氏)——。

 街路灯の自動調光やカメラの露出計などに広く利用されてきたCdSセルは,RoHS指令が発効した2006年7月1日以降,欧州では全面的に使用禁止になった。日本を含む世界の多くの地域でこれに準じた利用制限が取られるようになっており,CdSセルは事実上利用できない状況になった。