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負荷容量の不一致が時計を狂わせる

多くの電子機器で時計回路に用いられている水晶振動子が正確な時を刻むためには,水晶振動子と発振回路の「負荷容量」を一致させる必要がある。今回は,水晶振動子の交換によって時計が大幅に進むようになった事例を基に,原因と解決策について解説する。(野澤 哲生=本誌)

坂井 義幸
エプソントヨコム 営業統括部 新市場マーケティング部 主任

 32.768kHzを中心とするkHz帯で発振する音叉型の水晶振動子は,クオーツ時計,携帯電話機から家庭内の各種家電製品に至る多くの電子機器の中で,リアルタイム・クロックICにクロック信号を提供する素子として用いられている。水晶振動子の発振周波数が想定からわずかでもずれれば,時計の時刻の進みや遅れに直結してしまう。

 水晶振動子を所望の周波数で発振させるには,水晶振動子と発振回路の特性のマッチングが重要になる。ところが,民生機器ではこのマッチングが取れていないケースが少なくない。本稿では,水晶振動子の発振周波数が想定よりも高くなった事例を基に,適切なマッチングの方法について説明する。