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  「サイエンスとして画像圧縮は研究され尽くした分野かもしれない。しかしモノづくりに向けた技術として,エンジニアが工夫する余地はまだまだ残されている」(富士フイルム R&D統括本部 産業機器システム開発センターの杉田由紀夫氏)。

 富士フイルムは,復号化したときに画質劣化が生じない可逆(ロスレス)型画像圧縮技術「Xenaゼナ」を開発した。特徴は二つある。一つは,符号化に要する時間がJPEG 2000やJPEG(共にロスレス・モード)と比べて1/16~1/21と短いこと。同社が学会発表したモノクロ画像に対する実験では,符号化の処理速度が平均186Mバイト/秒に達している。第三者の企業がカラー画像について評価しても,ほぼ同様の結果を得たという。

 もう一つの特徴は,ハードウエア化したときに要するゲート数が「JPEGよりも大幅に少なく済む公算が高い」こと。シンプルな演算に徹したためだ。JPEGに対しおおむね6倍のゲート数を要したJPEG 2000とは,設計思想が根本から違っている。