
自動車メーカーや業界団体が、後突時のむち打ち被害を軽減す
る取り組みを強化している。2008年9月に米国がむち打ち被害
軽減シートの導入を義務化するほか、将来的にはEuroNCAPな
どが試験・評価を始める方針だ。むち打ち対応が、クルマの安
全性を決める重要な要素になりつつある。
後続のクルマに追突されて首を負傷
する「むち打ち」対策が、新たな段階に
入った。
後突前に作動する新しい方式の「ア
クティブヘッドレスト」が登場したほ
か、自動車メーカー各社がむち打ち軽
減シートの標準搭載に注力しているた
めだ。
新しいアクティブヘッドレストは、
トヨタ自動車が2006年9月に発売した
上級車「レクサスLS460」に採用された
「プリクラッシュ インテリジェント
ヘッドレスト」(図)。これまでのア
クティブヘッドレストが後突時にヘッ
ドレストを移動させていたのに対し、
後突が発生する前にドライバーの頭の
位置に合わせてシステムが作動するこ
とで安全性を高めている。従来は他社
を含めて、後突後に作動するタイプし
かなかったため、安全性の向上には限
界があった。
図●トヨタ自動車が「レ
クサスLS460」で導入し
たアクティブヘッドレスト
後方の車両を検知するミリ
波レーダを用いて、ぶつかる
前にヘッドレストを適した位
置に移動する。