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日経オートモーティブ 連載

今後の自動車産業の成長は、BRICs (ブラジル・ロシア・インド・中国) など新興市場にかかっている。成長の糧と なる新興市場の実態とは? ジャーナリスト の桃田健史氏が現地を訪ね、交通および ユーザー事情、自動車販売・生産の実態 を探る連載企画、その第1弾はロシアだ。

 「まさに今、この国の自動車市場は 戦国時代に突入したのです。半年先、 1 年先に何が起こっているのか―誰 にも分かりませんよ」。モスクワ在住 の日系商社マンはこうつぶやいた。
 日系自動車メーカー各社はロシア市 場で、2002年ごろから急速に販売を伸 ばしている。それに伴い、ディーラー 網の拡大、現地生産への準備など、各 社の動きは慌ただしさを増している。 今回は、モスクワでの現地取材と日系 自動車メーカー関係者への直接インタ ビューに加え、メール、電話でやり取 りしたが、基本的にはどの取材先も市 場の成長に大きな期待を寄せていた。
 しかし、同時に「まだまだ遠い国と いうイメージが強いのに、予想外の急 成長に戸惑っている」「実態経済が見 えてこない」など、市場への不安を漏 らす関係者が多いのも事実だ。

日系メーカーが現地生産へ
 1991年の旧ソビエト連邦崩壊後、ロ シアでは市場経済化が加速した。その 後、98 年の経済危機を経て、2000 年 に就任したプーチン大統領はロシアを “欧州の日出づる国”へと引き上げた。 自動車市場も経済の停滞と成長にほぼ 比例し変化してきた。2008年にはプー チン大統領の退任が確実視されてお り、次期政権下で同じように経済成長 が維持される保証はまったくない。