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日経ものづくり 特報 日経ものづくり 特報

桜井 淳 物理学者・技術評論家

2007年7月16日,新潟県をマグニチュード6.8の地震が襲った。かの「新潟県中越沖地震」である。同県柏崎市と刈羽村にまたがる東京電力柏崎刈羽原子力発電所では,地震加速度が全7基で想定を上回り,1号機で最大680ガルを記録。3号機の横の変圧器で火災が発生し,6号機では原子炉建屋の天井クレーンが破損するなど,トラブルが相次いだ。現地を調査した国際原子力機関(IAEA)は, 「目に見える重大な被害はない」とし,被災状況が予想より軽微だったと結論付けた。確かに,地震の規模の割に致命的な被害が起きなかったことは一定の評価に値しよう。だが,原子力発電所の耐震設計自体にお墨付きが与えられたわけではない。原子力発電の問題に詳しい物理学者・技術評論家の桜井淳氏が,原発の耐震安全にメスを入れる。(本誌)

 日本は,世界でも有数の地震国であるため,原子力発電所のように社会的リスクの大きな施設の設置は極めて難しい。「原子力安全委員会安全審査指針集」には原則として, 「地震地帯や活断層の近くを避けること」と記されている1)。しかし原則を遵守したならば,設置場所が限られるため,実際には苦渋の選択として妥協に妥協を重ね, 「観測強化地域」や「特定観測地域」に指定されるような所にも設 置されている。(以下,「日経ものづくり」2007年12月号に掲載


図●新潟県中越沖地震に見舞われた東京電力柏崎刈羽原子力発電所


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