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日経オートモーティブ 連載

軽く安くする材料・加工技術・第8回

内装に使える
PP発泡材料

強度はそこそこでいいから、もっと軽い樹脂が欲しい―こういうニーズは間違いなくある。その解決策が発泡樹脂。気体を“増量剤”として樹脂を膨らませ、密度を低くする。高温で発泡できるマイクロカプセルが登場したため、自動車へも応用できるようになってきた。

積水化学工業高機能プラスチックカンパニー
ケミカルスペシャリティ事業部ADVANCELLチーム企画担当課長
山縣昌彦


 当社には熱膨張性マイクロカプセル「ADVANCELL EM」という製品がある。低温、短時間で膨張するほか、独立した気泡を形成し、薄い塗膜や低粘度のペースト中でも膨張する。また、粒径が小さいため容易に分散、混練できる。この特性を生かし、Tシャツの立体プリントやPVC(塩化ビニル)壁紙のつや消し剤として使われてきた。
 当社は、これを自動車の樹脂部品に応用しようと考えた。従来のグレードでは使える温度が低く、PVCやEVA(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)の発泡体に使われていた。自動車に使うにはPP(ポリプロピレン)を発泡させたい。PPはPVCやEVAより成形温度が高いから、発泡温度を高めたマイクロカプセルの新グレードを開発した。

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図●熱膨張性マイクロカプセルの挙動
熱膨張性マイクロカプセルの挙動発泡前(左)、発泡後(中央)、膜に穴が開いて炭化水素ガスが一部放出され、収縮する(右)。