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日経オートモーティブ 解説

塩ビ(ポリ塩化ビニル=PVC)が自動車用内装材として再浮上する条件が整った。失速したのはダイオキシン、環境ホルモンを問題とする“塩ビバッシング”が理由だった。それらが“冤罪”と分かり、バッシングは収まった。そうなって改めて見ると、塩ビには優れた点がある。柔らかさ、風合い、耐久性―内装の表皮材として、塩ビは“高級”素材である。その割に価格は安い。しかもこれから石油価格が上がれば、その差は広がる。もっと積極的に使ってよい素材ではないだろうか。

 日産自動車は、SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)「エクストレイル」の内装材の表皮で塩ビの使用を拡大した。以前のモデルから使っていたコンソールのフタやヘッドレスト、シート裏側などに加え、2007年のモデルチェンジでドアトリムとインストルメントパネルのパッドを追加した(図)。日産が塩ビを使っていることを明らかにしたのは異例のこと。多くは使っていても公表したがらない。それほど、塩ビは日本の自動車業界から冷遇されているのである。
 塩ビは古くから自動車の内装材の定番材料だった。30年以上前、1tのクルマに30 ~50kg程度しか樹脂が使われていなかった時代、そのうち20 ~30kgが塩ビだった。ところが、それが失速した。

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図●「エクストレイル」の内部
ヘッドレストと、センターコンソールのフタが塩ビだ。