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日経オートモーティブ Key Person
GD3コンサルティング代表
JMAC GD3センター長 吉村達彦氏

1968年トヨタ自動車工業(当時)入社。1992年同社シャシー技術部長、1996年同社信頼性・強度シニア・スタッフ・エンジニア、2000年九州大学大学院教授、2003年米GM社Executive Director、Reliability & Durability Strategy、2007年より現職。


 トヨタ自動車で信頼性・耐久性を向上させる業務に従事、後に米GM社で品質向上を指導した異色の経歴を持つ。品質を維持するためのルールやシステムは大事だが、そうした社内の手続きを強固にすればするほど、品質を向上させようという意識は薄れていくと指摘する。 (聞き手は鶴原吉郎)

――日米の企業でクルマの品質向上に取り組む中で、どんなところに差があると感じましたか。
 良い品質を実現するための要素として、私は良い品質を設計に折り込むための手順・役割などを定めた「ルール・責任」、良い品質を実現するための「システム、ツール」、そして良い品質を実現しようという「意識」の三つがあると考えています。私が米国に行って最初に感じたのは、良いシステムやツールがあり、ルールや責任も明確だが、一人ひとりの品質に対する意識が十分でないということでした。これに対し日本の企業は、米国に比べるとシステムやツール、責任やルールという面では貧弱なものの、品質に対する意識が非常に強いのが大きな違いです。

――どういった場面でそれを感じましたか。
 米国では、正しい手順で仕事をすれば、品質は良くなるという意識が強い。例えば、きちんとチェックリストを使うなど、決められたプロセスを忠実にこなしていけばいいと、多くのマネージャーが考えています。しかし、こうした考え方では、ある程度の水準までは品質が高まっても、そこから上にはなかなか行けません。