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 チップの回路レイアウトが成立しない─。この事態に,PH1-ProIIに関わる技術者たちは凍り付いた。トランジスタや配線の物理的な配置を決めるレイアウト設計は,LSI設計のいわば最終工程。時間的な余裕はほとんど残されておらず,ここで問題を解決できなければ今までの苦労がムダになってしまう。「この時が一番てんやわんやした。皆,真っ青になった」と,PH1-ProIIの開発に携わった楠見雄規(現・コーポレートR&D戦略室 室長,産学連携推進センター 所長)は振り返る。

 PH1-ProIIの回路規模は2億5000万トランジスタと大きく,この規模のレイアウト設計は同社にとって初めてのことだった。このため,通常の数倍ものレイアウト設計者を投入して作業を進めていたが,最後の最後で一部の回路ブロックを結線できなくなってしまった。回路ブロックを信号線で結ぼうとすると,どうしても信号のタイミングが合わなくなってしまうのである。