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【特報】高性能モータ 課題は脱/省レアアース

【特報】高性能モータ 課題は脱/省レアアース

さまざまな用途で幅広く使われている希土類磁石を使った高性能なモータ。ただ,その原料となる希土類元素(レアアース)の確保に不安がつきまとっている。ハイブリッド車や電気自動車,省エネルギ型の家電や産業機器へのニーズの高まりから,そうしたモータの搭載が増え,希土類元素の需要が年々伸びているのだ。5年後には希土類元素の需給が逆転するという予測もあり,高性能モータの脱/省レアアースが課題になっている。課題克服に向けた技術の動きを探った。

【特報】高性能モータ 課題は脱/省レアアース

 現在,幅広い分野で使われている永久磁石型の同期モータ(PMモータ)。代表的なところでは,ハイブリッド車(HEV)や電気自動車(EV)の走行用モータ,電動パワーステアリング(EPS)の駆動用モータ,省エネルギ型のエアコンの圧縮機用モータ,ドラムを斜めに設置した洗濯機のモータ,工作機械の位置決め/割り出しやロボットに使う産業用モータなどに利用されている。(以下,「日経ものづくり」2008年12月号に掲載)

【特報】高性能モータ 課題は脱/省レアアース

 永久磁石型同期モータ(PMモータ)の代替モータの候補としては,まず,同期リラクタンス(SynR)モータ,スイッチト・リラクタンス(SR)モータ,誘導モータなどの永久磁石を使わないモータが挙げられる。これらを高性能化できれば,モータの脱希土類元素化が可能となる。また,既存の方式のモータを基にするのではなく,脱/省希土類元素を可能とする新構造のモータを開発するという手段もある。(以下,「日経ものづくり」2008年12月号に掲載)

図●同期モータの代表的な構造
図●同期モータの代表的な構造
左から順に,SPM(Surface Permanent Magnet)モータ,IPM(Interior Permanent Magnet)モータ,同期リラクタンス(SynR)モータ。右下がスイッチト・リラクタンス(SR)モータ。いずれもステータの突極にはコイルが巻かれる。永久磁石型同期モータ(PMモータ)に属するのはSPMモータとIPMモータ。大阪府立大学の森本氏の資料を基に本誌が作成。

【特報】高性能モータ 課題は脱/省レアアース

 永久磁石側での省希土類元素の取り組みでは,主として二つの方向性がある。(1)より少ないジスプロシウム(Dy)やテルビウム(Tb)で所望の保磁力を確保する(2)製造プロセスの工夫で希土類元素をもっと有効に活用できるようにする─の二つだ。  補足しておくと,保磁力とは逆磁場や温度変化による減磁のしにくさを表す値。Nd-Fe-B(ネオジム・鉄・ボロン)系焼結磁石は高温になるほど減磁しやすくなる(以下,「日経ものづくり」2008年12月号に掲載)