味方は金持ちエンジニア

日本から世界へ羽ばたく技術ベンチャーをいかにして生むか。最大の障害はベンチャー企業に投入される資金が少ないこと。その投資額を増やすことが成功企業の増加，そして次のベンチャーを育む人材を生み出す源泉になる。

理系離れに“科学”で挑む

横浜サイエンスフロンティア高校の開校（第1回）

　「学校名に『サイエンス』の文字が入らないならばね，僕はもう協力できませんよ。だって理由がない」─。眼前の白髪の科学者は，頑として譲る気配を見せなかった。横浜市教育委員会事務局 高校再編・科学技術高校整備担当部長（当時）の内田茂は，その言葉に腹をくくった。彼の協力抜きに新設校は成り立たないからだ。そ…

次号予告　2008年12月29日号

盛り上がるモバイル通信市場スマートフォン契機に急拡大

from 米国

　2008年10月，フィンランドNokia Corp.のPresident兼CEOであるOlli-Pekka Kallasvuo氏は米国カリフォルニア州シリコンバレーで開催された会合で，聴衆を驚かせるコメントを述べた。同氏は米国の無線データ通信サービス（携帯電話など移動体通信サービスを含む）について…

Googleカーナビ，続々登場，自動車メーカーが採用に本腰

第15回ITS世界会議から

　「Googleだらけだね」─。米国ニューヨークで2008年11月16～20日に開催されたカー・エレクトロニクス関連のイベント「15th World Congress on Intelligent Transport Systems」（通称：第15回ITS世界会議）に日本から参加していた，ある電装品…

再び変革の時を迎えたMicrosoft

クラウドでGoogleに挑む

Microsoft社が本気で変わろうとしている。Google社などが推進しているインターネットを中心としたコンピューティング環境，いわゆる「クラウド・コンピューティング」を土台にしたビジネスへの転換である。これまでMicrosoft社はクライアントにおけるOSやオフィス・ソフトウエアの圧倒的な普及率…

Apple主導の「OpenCL」，プロセサに自由をもたらす

　2008年6月にApple社が唐突に次期OSでの対応を発表して話題になった「OpenCL」。その全貌がついに明らかになった。それは，「このままではソフトウエア開発者にソッポを向かれる」というプロセサ・メーカーらの危機感が凝縮されたものだった。マルチコア化が進み，GPUはグラフィックスの枠を超え，新…

“ソース・コード強制開示”は本当か　中国，強制認証制度拡大の狙い

暗号方式の許可を得るなど先手も必要

中国政府が外国企業に対し，デジタル家電などの製品情報を開示する「新制度」を2009年5月に導入するとの新聞報道が日本国内に波紋を呼んでいる。中国へ輸入・販売する製品に認証を求め，その際に組み込みソフトや暗号ソフトのソース・コードの開示を要求するというのだ。これに対し，日本の企業や産業界からは，不安や…

第13回●タスク間の同期と通信

出題と解説●ET 教育フォーラム（梶原 理機，坂井 直美)

「組み込み寺子屋」は，組込みシステム技術協会（JASA）が実施する「組込みソフトウェア技術者試験（ETEC）」（http://www.jasa.or.jp/etec/）の対策問題を使って，組み込みシステムの基礎を学ぶコラムです。

次世代のプラットフォームは「クラウド＋クライアント」

─Microsoft社の研究開発部門であるMicrosoft Researchでは，3～10年先を見据えたコンピュータ・サイエンスの研究を行っていると聞く。同社の技術のトップとして，コンピューティング・プラットフォームは今後どのように変化するとみているか。

スパコンのオリンピック，GPUのシステムが「陰」の上位に

かつてのCellの夢，GPUが実現へ

　米IBM Corp.，ソニー，東芝の3社が共同開発したマイクロプロセサ「Cell」は，高性能コンピュータ，ゲーム機，家電製品と，幅広い用途を同じアーキテクチャでカバーする新しいプロセサという位置付けだった。現在，そのCellの夢を先に実現しつつあるのが，グラフィクス処理プロセサ（GPU）である。

廃熱や振動からの発電技術が実用期へ

車の燃費1割向上も視野に

　どんなエネルギーも一度熱や振動になってしまうと，そこからの再利用は難しい─。そんな従来からの常識が覆りつつある。熱や振動をエネルギーに変える「エネルギー回収技術」の効率や発電量が最近になって大幅に向上し，実用化に耐え得る水準に達しつつあるからだ。加えて，応用面からのニーズが高まったり，省エネへの機…

電力変換技術の救世主登場　大幅な小型/高効率化を実現へ

マトリックス・コンバータの基礎から応用まで─第1回─

交流電力を直接，振幅や周波数が異なる交流電力に変換するマトリックス・コンバータ。既存のインバータに比べて，小型化や高効率化，信頼性の向上などを実現できる。今回は，マトリックス・コンバータの特徴と回路構成を紹介する。

常識を超える「左手系」の特性　画期的な応用例が登場

メタマテリアルとは何か─第2回─

メタマテリアルでは，自然の媒質では実現できていない電気的・磁気的特性を得られる場合がある。その代表例が，「左手系メタマテリアル」である。今回は，この媒質のいくつかの特徴と応用例をピックアップして紹介する。

シャープ，発電事業に参入，太陽電池は大競争時代へ

イタリア電力会社と合弁，生産工場も設立

　「総合家電」から「総合電機」へ，シャープがついに一歩を踏み出した。同社は，イタリアの電力会社であるEnel SpAと，独立発電事業を手掛ける合弁会社を2009年春に設立する。

ネオジム系磁石を使わず高効率化，日立らが新型モータを試作

レア・アース高騰の懸念解消に道

　日立製作所と日立産機システムは，ネオジム（Nd）やディスプロシウム（Dy）といったレア・アースを用いた磁石（希土類磁石）を使わずに，効率を高められるモータを試作した。

NECのプログラマブルLSI，ソニーが放送用カメラに採用

同じASICを3機種にヨコ展開

　NECエレクトロニクスは，映像や音声などのストリーム信号処理に適したプログラマブルLSI 技術「STP（stream transpose）」を開発した。