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「だから,部下が動く トヨタ流 人づくり」では,今,多くの日本メーカーの管理者が頭を悩ませている社員の人材育成に関して,トヨタ自動車流の考え方や方法を伝授します。社員にやる気とモチベーションを与え,自ら動く組織をつくるための直接的,間接的なヒントが満載です。本コラムは中部産業連盟が開催するセミナー「トヨタ流モノづくりと人づくりの心・伝承塾」の内容を編集部が取材し編集したものです。

 世界的に競争が激化した時代に製造業として生き残っていくためには,やはり,これまで以上に優れた新技術の開発が不可欠です。新技術の開発により,お客様に心から満足していただける付加価値を製品に与える。このことを常に意識して実践し続けて,お客様から本当に必要とされる企業にならなければ,世界に数多く存在する競合企業の中で繰り広げられる厳しい生存競争を生き延びることはできません。

 「そんなことは分かっている」という声が,日本企業のあちこちから聞こえてきそうです。しかし,本当に皆が理解しており,職場で当たり前のように根付いているでしょうか。残念ながら,多くの日本企業を見ると,頭では理解しているけれども,いまひとつ実践が伴っていないという場合が多いような気がしてなりません。

 では,ここで質問させてください。あなたの会社や職場では,新技術を開発するために,何が有効であるかを考えたことがありますか? また,それを実行に移していますか? 会社の要であり,職場を正しく導くことを求められる管理者にとって,新技術の開発の業務がうまく進む仕組みや環境をメンバーに対して用意することは,大切な仕事の一つです。そのことを軽視し,新技術の開発業務をメンバー個人の能力や頑張りに期待するだけでは,管理者として十分な役割を果たしているとは言えないと思います。

〔以下,日経ものづくり2009年7月号に掲載〕

肌附安明(はだつき・やすあき)
HY人財育成研究所 所長
トヨタ自動車にて約30年間にわたり,多くの新車開発プロジェクトで設計や生産設備の立ち上げ業務をこなしてきた技術者。その後,同社TQM推進部の課長として役員への企画提案や,社員の人材育成,協力会社の育成指導を約10年間行った。2008年8月に同社を定年退社,HY人財育成研究所を立ち上げ,所長に就任。トヨタ流の業務の進め方や人材育成について講演・執筆活動を精力的に展開している。主な講演に,本誌および中部産業連盟で開催する「トヨタ流モノづくりと人づくりの心・伝承塾」などがある。