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「勝つ設計」は,日本のVEの第一人者である佐藤嘉彦氏のコラム。ただ安さばかりを求めて技術を流出し,競争力や創造力を失った日本。管理技術がこれまでの成長を支えてきたという教訓を忘れた製造業。こうした現状を打破し,再び栄光をつかむための製品開発の在り方を考える。
図●製造業の黒字3原則
この原則を守ることが,基本中の基本である。

 本コラムの話がだんだんと見えてきたところで恐縮だが,今回は前回の予告通り,メインストリームから少し横道にそれる。テーマは,これまでに何度か書いてきた,現在の世界同時不況によって露呈した,筆者が言うところの「製造業の掟破りのツケ」について。設計の基本を忘れたこと,目標管理を怠ったこと,製品バブルを続けてきたことなど,昨今の状況の背景には本コラムの中で指摘してきた,ものづくりの基本をないがしろにしたツケ,すなわち掟破りがある。

 逆にいえば,掟をきちんと守りつつ,本コラムで指南している勝つ設計に挑めば,必ずや負け知らずの「常勝世界一の企業」になれるはずだ。その意味で我々技術者は,自らが犯してきた掟破りの現実を見詰め直し,将来に向けて真摯に対応していく必要がある。

〔以下,日経ものづくり2009年7月号に掲載〕

佐藤嘉彦(さとう・よしひこ)
VPM技術研究所 所長
1944年生まれ。1963年に,いすゞ自動車入社。原価企画・管理担当部長や原価技術推進部長などを歴任し,同社の原価改善を推し進める。その間に,いすゞ(佐藤)式テアダウン法を確立し,日本のテアダウンの礎を築く。1988年に米国VE協会(SAVE)より日本の自動車業界で最初のCVS(Certifi ed Value Specialist)に認定され,1995年には日本人初のSAVE Fellowになるなど,日本におけるVE,テアダウンの第一人者。1999年に同社を退職し,VPM技術研究所所長に就任。コンサルタントとして今も,ものづくりの現場を回り続ける。