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 省電力技術などを開発するエコ・エンジニヤリング(本社神奈川県逗子市)は,工学院大学工学部環境エネルギー化学科教授の長本英俊氏と共同で,「面ヒーター」として使える発熱材の実用化にメドを付けた(図)。独自開発のセラミックスをプラズマ溶射して形成した薄膜で,予熱をせずに極めて短時間に目的の温度を得られる。まずは暖房便座と,複写機の定着ロールの熱源での活用を目指す。

 一般に暖房便座の熱源には,ニクロム線などを発熱体とするシーズヒーターが使用されているが,内部に組み込んだ熱源で便座全体を加熱しているため時間がかかる。予熱が必要なのはそのためだ。一方,複写機の定着ロール用の熱源は,ハロゲンランプか誘導加熱(IH)が一般的。IHは,被加熱物を直接発熱させるためハロゲンランプよりは効率が高いものの,熱容量の大きな定着ロールを目的の温度に保持するのには,やはり予熱が必要になる。

 新方式の熱源は,こうした予熱を「ほぼゼロにする」(エコ・エンジニヤリング社長の小屋敏行氏)もの。高温の必要な表面のみが自ら発熱するようにできるため,シーズヒーターやIHよりも早く目的の温度を得られる。

〔以下,日経ものづくり2009年8月号に掲載〕

図●発熱材溶射板による温度分布測定実験
8cm×18cmの板にランタン・バリウム・コバルサイト(La0.5Ba0.5CoO3-δ)とバリウム・チタン・オキサイド(BaTiO3)を混合した発熱材を溶射し,溶射板を作った。電極は銀(Ag)ペースト。溶射部分の上にチョークで線を引き,電流を10~20分間流しながら放置した後,交差点の温度を計測した。その結果,同じ電圧ではどの交差点でもほぼ同じ温度が得られることが分かった。