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「新人にも分かる 工場安全のツボ」は,生産現場における本質安全構築の基礎を学べるQ&A方式のコラムです。現場で悩むことの多い工場安全の疑問とその回答を通じて,真の工場安全を実現するために必要な考え方や手法を紹介していきます。

【Q1】異動で食品加工機械の設計を担当することになりました。一般的にいって,安全上,考慮すべきリスクにはどのようなものがあるのでしょうか?

 食品機械の安全性を定めた規格には,JIS B 9650シリーズ(食料品加工機械の安全及び衛生に関する設計基準通則)があります。機械安全に関する包括的な国際規格であるISO12100シリーズがJIS B 9700シリーズとしてJIS化されたことに伴い,JIS B 9650シリーズも国際規格の考え方に基づいて見直しが行われています。今回は,JIS B 9650シリーズを基に解説していきます。

 食品加工機械を扱う現場は,パートタイム社員への依存率が高くなりがちで,作業の自動化が難しいこともあって,労働災害が発生しやすい傾向にあります。例えば,加熱攪拌機には食材を混ぜるための羽根が付いており,内部を洗浄する作業の際に,人が羽根に巻き込まれるリスクがあります。

 食品加工機械では安全だけでなく衛生にも配慮する必要がありますが,今回は安全な設計や操作に絞って解説します。また,ここでの食品加工機械の定義は,JIS B 9650の適用範囲と同様に工場で生産する食品の加工を対象にしています。

〔以下,日経ものづくり2009年8月号に掲載〕

西原一寛(にしはら・いっかん)
IDEC 規格安全ソリューションセンター
IDEC技術本部規格安全ソリューションセンター室長。各種検出制御機器・機械安全制御機器・防爆安全制御機器の製品開発および事業企画に従事。現在,安全関連の講演のほか,機械装置メーカー/ユーザーに対し,リスクアセスメント支援を行う。セーフティ・リードアセッサ資格を有する。
前田育男(まえだ・いくお)
IDEC 規格安全ソリューションセンター
機械,制御,安全,防爆などに関する国際規格,欧州・北米各国規格/規制に基づく製品認証関連業務やリスクアセスメント支援に従事。現在,制御・安全技術に関するIEC(国際電気標準会議)の委員をはじめ,ロボット技術,防爆技術,機能安全技術,半導体製造装置関連の標準化活動に携わる。セーフティ・リードアセッサ資格を有する。
関野芳雄(せきの・よしお)
IDEC 規格安全ソリューションセンター
安全制御設計技術者として多くの製品開発に携わり,現在は,グローバルに通用する本質安全設計/安全防護の考え方などの安全技術指導や安全システム設計に従事。ISOロボット安全規格作成の国際委員としての経験を基に,機械メーカー/ユーザーに対する各種リスクアセスメント支援を行う。セーフティ・リードアセッサ資格を有する。
岡田和也(おかだ・かずや)
IDEC 規格安全ソリューションセンター
安全機器,システム,ネットワークなど,安全制御設計技術者としての経験を有し,現在は,ロボット制御セル生産システムのリスクアセスメントや安全システム設計に従事。ISOロボット安全規格の国際委員会委員,安全応用研究会専門委員会委員などの規格関連委員を務める。セーフティ・リードアセッサ資格を有する。