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張 国斌
電子創新網 CEO

 2009年4月,中国メーカーのTCL社や江蘇新科電子公司(Shinco社)が,中国独自の次世代光ディスク規格「CBHD(China Blue High-Definition)」に対応したプレーヤーを発売した。米Warner Bros. Entertainment Inc.や中国唱片総公司(CRC:China Record Corporation)といったコンテンツ・プロバイダーも,CBHDフォーマットの映画タイトルを発売すると表明した。既に中国ではCBHDに関して,仕様の策定や中核技術の研究,光ディスクやプレーヤーの製造,コンテンツ制作といった,包括的な産業チェーンが出来上がっている。

 CBHDは,市場に出回っているBlu-ray Disc(以下,BD)と同じく,1080pのHD映像を2時間以上格納できる次世代光ディスクのうちの一規格である。

 BDとの大きな違いは,映画などを収録したパッケージ・メディアの価格である。BDと比べてかなり安い。CBHDディスクの価格は1枚55元(日本円で約 750円)と,BDディスクの175元(約2400円)の1/3程度である。これは,中国で海賊版として流通しているBDディスクの60元(約820円)を下回る。

TCL社のプレーヤー「THBD-1008」

1300億円市場に

 中国の次世代光ディスクの市場は今後,急速に拡大しそうだ。中国におけるHD映像対応のテレビ所有者は2009年に2700万人に達した。2010年には 4700万人,2011年には7200万人へと急増する見込みである。中国のHD対応テレビの年間販売台数も,1500万台に達している。

 仮に,HD対応テレビの購入者の70%が,DVDプレーヤーから次世代光ディスク・プレーヤーに買い替えると試算すると,中国の次世代光ディスク・プレーヤーの市場規模は年間1000万台を超える。次世代光ディスク・プレーヤーの価格を1台1000元(約1万3700円)として計算すれば,100億元(約 1370億円)を上回る巨大市場になる。この市場を舞台に,CBHDとBDが激突する。

CBHD誕生の裏に特許料問題

 中国側が独自の光ディスク規格にこだわるのは,DVDの特許ライセンス料によって,中国のDVD産業が大きく傾いた過去があるからだ。2002年初頭,DVDの関連特許を有する日立製作所や東芝などの大手メーカーは,それまで不払いを続けてきた中国メーカー側に,DVD特許料の支払いを要求した。

『日経エレクトロニクス』2009年8 月10日号より一部掲載

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