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日産自動車が2010年度に日・米・欧で販売を開始する電気自動車。電気を動力源とするため走行時にCO2を排出せずガソリン車などのようにエネルギーが枯渇する心配は少ない。一方で,懸念されるのは搭載する電池の性能や充電インフラの整備。こうした現状を踏まえ,日産自動車は電気自動車を中心に据えた将来のモビリティー(交通)社会を描く。(本誌)

篠原 稔
日産自動車 常務執行役員

ウエハーレベル・カメラの用途

 環境やエネルギー問題を背景に,低炭素社会の実現に向けた取り組みが加速している。現在,経済は一時的な危機状態に陥っているが,いずれは回復に転じ,経済成長と環境・エネルギー問題解決を両立する技術の存在感は今までに増して強まるだろう。中でも電気自動車は,これからの交通社会を考えていく上で不可欠な存在になると考えている。

 当社は5人乗りの電気自動車「リーフ」の発売を,2010年度に日・米・欧で開始する。世界規模の環境問題を背景に考えると,電気自動車は少量の投入ではなく,マス・マーケットを目指して投入していかねばならない。さらに,電気自動車はそれ自体の技術の向上と併せて,それを取り巻く交通や社会環境をどう変えていくか,といった広い視点での取り組みが必要となる。

 本稿では,電気自動車に焦点を当て,その技術から充電ネットワーク,さらには,それらがもたらす新しい交通社会の実現へ向けた活動について紹介する。

CO2排出量を90%削減へ

 クルマの電動化の主たる背景はCO2排出量の抑制である。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2007年2月に発表した第4次報告書では,平均気温上昇を2.0~2.4℃に抑えるためには温室効果ガスをCO2換算濃度で約450ppm以下にする必要があるといわれている。

 当社は,「ニッサン・グリーンプログラム2010」の中でCO2削減の取り組みを発表した。温室効果ガスの450ppmへの抑制をクルマに置き換えて考えてみると,2050年までに新車からのCO2排出量を2000年比で約90%削減することに相当する。これはCO2排出量をゼロに限りなく近づけるというレベルである。

『日経エレクトロニクス』2009年9月7日号より一部掲載

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