PR
写真:栗原克己

 創業家に生まれはしましたが,ものづくりへの意識を子供の時から持っていたかといえば,正直,そうではありません(笑)。大学は法学部でしたし,卒業後は会計事務所に入って中小企業の決算業務,はっきり言えば節税の指南をやっていました。当時,中小企業の経営者にとって,会計事務所の最大の価値は,どれだけ税金を払わずに済ませられるかです。いろいろやる中で,今でいうコーポレート・ガバナンス(企業統治)とか,コンプライアンス(法令順守)の大事さを,時代が求め始めるずっと前から頭の中に入れることができたのは幸いでしたけどね。

 その後,スタンレー電気に監査役として入ったのですが,ものづくりに深く触れたのは,情報システム担当の取締役になってからです。生産管理システムの構築に挑んだのです。

 こうあるべきという物の流れを描き,それを論理立ってプログラム化していく。ここまでは,それほど難しくなかった。問題は,生産現場がその通りに動いてくれるのかという点でした。
〔以下,日経ものづくり2009年10月号に掲載〕(聞き手は本誌編集長 原田 衛)

北野隆典(きたの・たかのり)
スタンレー電気 代表取締役社長
1956年東京都生まれ。1981年慶応義塾大学法学部卒業。同年公認会計士事務所に入社。1983年スタンレー電気に監査役(常勤)として入社。1985年取締役,1988年常務取締役,1990年代表取締役専務と進み,1994年代表取締役副社長。1996年には電子機器事業本部長を兼務。1999年から現職。スポーツはゴルフのほか,スキューバダイビング,スキーをこなす。