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 安川電機はハイブリッド車用のモータ、発電機、パワーコントロールユニット(PCU)からなるシステムを、マツダと共同で開発した。2009年3月25日にマツダが発表した「プレマシー ハイドロジェンREハイブリッド」に搭載していたことを明らかにした(図)。

 安川が開発したシステムは、モータ固定子にあるそれぞれの巻線を2分割する。巻線全体を使うと、巻数が多く低回転に向いたモータになり、一部だけ使うと、巻数が少なく高回転に向いたモータになる。
 回転数によってスイッチで巻数を切り替え、それぞれの領域で最適な特性を得る。スイッチはIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を使った半導体スイッチだ。
 低回転ではSW1をオフ、SW2をオンにする。電流は巻線の青い部分、赤い部分を流れ、結果として巻数が多くなる。高回転ではその逆、SW1をオン、SW2をオフにする。電流はモータ巻線の青い部分だけを流れ、巻数の少ないモータになる。
 永久磁石式のモータは発電機と全く同じ部品構成である。外から力を与えて回転させれば発電機として働く。モータとして働くときも、実は発電機としての起電力は発生している。モータと発電機が共存しているわけだ。モータとして働くときは、発電機成分の起電力がある中、それを押し戻すようにモータに無理に電流を流している。回転数が高くなると、この起電力が大きくなる。このため永久磁石式の同期モータは高回転で効率が低くなる。
 高回転時、巻線を切り替えて巻数を減らせば、この起電力が減る。低回転時は、起電力の問題に遠慮せずに巻数を増やし、大きなトルクを得ることができる。実際、「プレマシー」に載ったモータは、巻線を全部使う場合、切り替え回転数を超えると抵抗が増えて使えなくなるほど巻数が多いという。この結果、低回転で加速が良く、高回転で伸びの良いモータが実現した。

以下,『日経Automotive Technology』2009年11月号に掲載
図 マツダの「プレマシー ハイドロジェンREハイブリッド」