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コンサルタントの視点
野村総合研究所 グローバル戦略コンサルティング1部長 北川史和氏
米Wisconsin大学Madison校MA終了。1994年野村総合研究所入社。専門は自動車、電機産業などのグローバル企業の戦略立案。

 日本では環境対応車への優遇税制が始まり、2009年2月に発売されたホンダのハイブリッド車(HEV)「インサイト」は発売から11日で1万台も売れるという快挙を達成した。その後5月に発売されたトヨタ自動車の「プリウス」はインサイトに対抗するように205万円からという戦略的な価格で、発売から1カ月で18万台もの受注を記録した。
 この勢いはとどまることを知らず、受注から納車まで半年以上かかるという状況が続いている。一方で、HEV以外の自動車は、すっかり影が薄くなってしまった。日本市場の回復は、現時点においては、まだら模様といえるだろう。
 この好調の裏には二つの要素がある。一つはインサイトの魅力的な価格に、プリウスも追従したということ。それによって消費者は、知的なイメージを持つHEVに手が届きやすくなった。そしてもう一つが、政府の補助政策である。プリウスのLグレードの場合、減税と新車購入補助金によって、古い車を処分すると39万4500円の減税、補助金を得ることができる。消費者はこの政府の気前のよい処置に飛びついた。

以下,『日経Automotive Technology』2009年11月号に掲載