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このまま地盤沈下か─。こう見る向きが多かった日本のシステムLSI業界。苦境に立たされた富士通マイクロエレクトロニクスと東芝が抜本改革に踏み出した。数十年来続けてきた,先端工場に莫大な投資を行うビジネスモデルと決別する。同時に,これまで聖域だった製品分野の大幅な絞り込みを行う。両社の半導体事業トップのインタビューとともにお届けする。

6商品について新規開発を縮小/凍結

 「会社は利益が出て,初めて価値を認められる。『リーマン・ショック』以降の未曽有の不況があったからこそ,会社を大きく変えられた。今回の我々の改革は,国内半導体メーカーが有してきた構造問題に対する一つの答え,と自負している」(富士通マイクロエレクトロニクス代表取締役社長の岡田晴基氏)。「従来の総花的な百貨店型経営はやめる。システムLSIの増産投資はせず,外部のSiファウンドリー企業を使う」(東芝執行役上席常務 セミコンダクター社 社長の齋藤昇三氏)。

 富士通マイクロや東芝など,大幅な赤字に悩む国内大手半導体メーカーが,システムLSI事業の「出直し」的な構造改革に乗り出した(表1)。過去数十年続けてきたビジネスモデルを変え,単独での生き残りを目指す。

 狙いは,安定した利益体質の構築である。中でも,アグレッシブな収益改善計画を打ち出したのが,富士通マイクロである。同社は,2008年度に約600億円の営業損失を計上し,2009年度の営業損失も約150億円に達する見込み。これを2010年度には約 100億円の営業利益を出すまでに回復させ,2011年度には「過去最高の150億円以上の営業利益を達成する。2012~2014年度には平均8%の営業利益率を確保し続ける」(富士通マイクロの岡田氏)という。

やめる6品目を明示

 この目標に向けて,富士通マイクロは二つの改革を実行する。一つは,先端の微細化プロセスとその工場に莫大な投資を敢行する事業モデルとの決別である。これまで同社は自前でのLSI製造にこだわってきたが,今後は45nm世代までを自社製造し,40nm以降の世代を台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.(TSMC)に製造委託する。これに伴い,既に着手していた40nm世代のプロセス開発の中止を表明した。TSMCとの協業は既に発表済みだが,今回28nm世代のプロセス技術をTSMCと共同開発することを発表した。TSMCとの提携により「28nm世代で世界初のASICベンダーになる」(富士通マイクロ)ことを目指す。

『日経エレクトロニクス』2009年10月19日号より一部掲載

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