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「やっぱりテレビ」。今回のCEATECで主役の座を奪ったのは,高い処理能力を誇るマイクロプロセサ「Cell Broadband Engine」を搭載した,東芝の液晶テレビである。熾烈な価格競争にさらされている薄型テレビを,“負のループ”から脱却させるためのヒントがそこにあるのか。多くの来場者がそれを見極めようとブースに押し寄せた。デジタル家電では,新たな付加価値の模索としてAR(拡張現実感)や電子書籍といった新サービスの提案も目を引いた。「環境」という切り口では,太陽電池などの再生可能エネルギーを住宅内で効率的に活用するためのアイデアなどが披露された。同時に,CO2削減や省エネルギーを実現する電子部品が多数展示された。(CEATEC取材班)

Cell搭載テレビが注目を集める

テレビ編「Cell」搭載テレビに人だかり,3Dテレビは各社から登場

 「テレビ作りへのこだわりに加えて,半導体技術やLED技術など,東芝が持っている総合技術力の結晶である。最高のエンターテインメント・マシンだ」(同社 デジタルメディアネットワーク社 社長の大角正明氏)─。

 東芝が発表した55型の液晶テレビ「CELL レグザ(REGZA) 55X1」は,間違いなく今回のCEATECで最も注目を集めた製品の一つだ。同社の展示ブースでは,CEATEC開催前日の2009年10月5 日に製品発表会が開催されたほか,ブースのほとんどがCELL REGZA関連の展示で埋め尽くされるなど,例年にない展示方法にも注目が集まった。

 CELL REGZA 55X1は,東芝とソニー,米IBM Corp.で共同開発したマイクロプロセサ「Cell Broadband Engine」(以下Cell)を初めて採用するテレビである。Cellの浮動小数点演算能力は200GFLOPSで,同社の従来品に搭載するLSIに比べて処理性能は143倍と高い。この膨大な処理能力をベースに,さまざまな機能をソフトウエアで実現する。今回は,入力映像の解像度を画像処理で復元する超解像技術の強化や地上デジタル放送を同時に8番組,録画/再生する機能を,Cellの処理能力を使って実現する。これまで,メーカー各社がギリギリのハードウエア設計で作ってきたテレビとは一線を画す。

『日経エレクトロニクス』2009年11月2日号より一部掲載

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