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 パナソニックは,今後の成長分野と位置付けている同社のロボット事業について,技術開発や事業拡大の方針を明らかにした。同事業に関しては,既に同社代表取締役社長の大坪文雄氏が「2015年度までに売り上げ1000億円のビジネスに育てる」という目標を明言している。その成否のカギを握るのが「ロボット単体の販売を目的とするのではなく,導入現場のニーズに基づいたソリューションを提案する」という戦略だ。

 「ソリューションを提案する」とはどういうことか。そこには従来のやり方に対する“反省”が込められている。これまでは,ややもすれば全自動化や自律走行など「見栄えのする」技術が先にありきで,最先端のロボットを現場に押し付けている側面があったと同社はみている。

 そこで同社では,まず現場を見た上で「在るべき仕事の進め方」を顧客に提案。その過程で,人がすべき仕事とそうではない仕事に分類し,後者についてロボットによる作業で置き換えるというビジネスを展開する予定だ。同社が直近の成長市場と位置付ける医療・福祉分野でいえば,まず技術者が自ら現場を見学・分析する。また,開発チームには薬剤師などの専門家を迎え入れた。そうすることにより,現場のニーズと合致したロボットを開発できる可能性が高まるという。

 そうした考えで開発したロボットの一つが「アシストカート」だ(図)。病院などでは,車いすやベッド,大量の薬剤を積載した台車など非常に重いものを運搬する業務が多く,その作業のためだけに複数の人が必要だった。このアシストカートを使えば,運搬に必要な人数を減らし,別の仕事に割く人数を増やせるわけだ。

〔以下,日経ものづくり2009年11月号に掲載〕

図●「アシストカート」
力検出センサや制御回路などを搭載しており,人が押したり引いたりする力に応じて「アシスト力」を変えられる。2010年中の製品化を予定している。