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「新人にも分かる 工場安全のツボ」は,生産現場における本質安全構築の基礎を学べるQ&A方式のコラムです。現場で悩むことの多い工場安全の疑問とその回答を通じて,真の工場安全を実現するために必要な考え方や手法を紹介していきます。

【Q1】印刷機と製本機の設計を担当しています。現場での使われ方を想定した安全設計を行いたいのですが,実際にどのような危険事象があるのでしょうか?

 印刷機や製本機は,その構造や目的から現場の作業者が直接操作する場面が比較的多い機械といえます。作業工程が多岐にわたるので,一人ひとりの作業者がすべての工程に熟知しているとは限りません。出版関係者など機械のことをほとんど知らない人が現場にいることも少なくありません。

 従って,印刷機や製本機を設計する際は,こうしたことを前提に安全対策を行う必要があります。特に,機械についてあまり知識のない人がいるということは,設計段階のリスクアセスメントにおいて重要なポイントになります。具体的には,そのような人が不用意に機械に近づくことを考慮した保護方策などが必要になるということです。

 印刷・製本現場の運用段階におけるリスクアセスメントでも,同様の点に配慮する必要があります。例えば,作業区域に部外者が進入できないような入場制限を行う,あるいは部外者による機械操作や装置への介入を想定した予見可能な誤使用を含めた保護方策を行う,などの対策が考えられます。

〔以下,日経ものづくり2009年11月号に掲載〕

西原一寛(にしはら・いっかん)
IDEC 規格安全ソリューションセンター
IDEC技術本部規格安全ソリューションセンター室長。各種検出制御機器・機械安全制御機器・防爆安全制御機器の製品開発および事業企画に従事。現在,安全関連の講演のほか,機械装置メーカー/ユーザーに対し,リスクアセスメント支援を行う。セーフティ・リードアセッサ資格を有する。
前田育男(まえだ・いくお)
IDEC 規格安全ソリューションセンター
機械,制御,安全,防爆などに関する国際規格,欧州・北米各国規格/規制に基づく製品認証関連業務やリスクアセスメント支援に従事。現在,制御・安全技術に関するIEC(国際電気標準会議)の委員をはじめ,ロボット技術,防爆技術,機能安全技術,半導体製造装置関連の標準化活動に携わる。セーフティ・リードアセッサ資格を有する。
関野芳雄(せきの・よしお)
IDEC 規格安全ソリューションセンター
安全制御設計技術者として多くの製品開発に携わり,現在は,グローバルに通用する本質安全設計/安全防護の考え方などの安全技術指導や安全システム設計に従事。ISOロボット安全規格作成の国際委員としての経験を基に,機械メーカー/ユーザーに対する各種リスクアセスメント支援を行う。セーフティ・リードアセッサ資格を有する。
岡田和也(おかだ・かずや)
IDEC 規格安全ソリューションセンター
安全機器,システム,ネットワークなど,安全制御設計技術者としての経験を有し,現在は,ロボット制御セル生産システムのリスクアセスメントや安全システム設計に従事。ISOロボット安全規格の国際委員会委員,安全応用研究会専門委員会委員などの規格関連委員を務める。セーフティ・リードアセッサ資格を有する。