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 「発砲工法」と聞いて,何か物騒なことをしているのではないか,そう考えるのは筆者だけではないだろう。発泡と発砲,漢字の偏が水と石では全く違う意味になる。泡が発生するのが発泡で,鉄砲などをぶっ放すのが発砲だ。しかしこの発砲工法は,その両方の意味を持つというからビックリだ。

 具体的には,発泡ウレタンを窓枠のすき間に充てんして,瞬時に窓枠のリニューアルを完成させる。ここで用いる,発泡ウレタンをすき間に充てんする工具が,あたかも鉄砲のような形になっている。これにより,ウレタンは発泡してすき間なく窓枠を固定する。まさしく,発砲で発泡なのだ。

 しかも,実に合理的である。アルミサッシなどが古くなって新しい窓枠にリニューアルするとき,まずは古い窓枠を取り払い,新しい窓枠を取り付ける壁をキレイにしなければならない。多分,壁は相当傷んでいるだろうから補修もしなければならず,結構,大仕事になる。工期は2週間ぐらいに及ぶ場合もあるので,工費もバカにならない。しかし,発砲工法ならそんなヤヤコシイことは一切なし。古い窓枠はそのままでもいいし,外してもいい。とにかく,すき間を発泡ウレタンで充てんしてしまうので,作業個所の周囲を修繕したり保護したりする養生は不要。そのため,施工時間はわずか2時間ほどなのだ。

 沖縄の本部町にあるアルミサッシ業者が,この工法を発明した。夫婦で経営する小さな会社の大発明。沖縄から発信されるこの事業は,地域活性化の切り札になる可能性を秘めているのである。

〔以下,日経ものづくり2009年11月号に掲載〕

図●発砲工法の現場施工状況
目張りをして,すき間に発泡ウレタンを充てんして終わり。充てんするノズルは,まさに鉄砲みたい。

多喜義彦(たき・よしひこ)
システム・インテグレーション 代表取締役
1951年生まれ。1988年システム・インテグレーション設立,代表取締役に。現在,40数社の顧問,NPO日本知的財産戦略協議会理事長,宇宙航空研究開発機構知財アドバイザー,日本特許情報機構理事,金沢大学や九州工業大学の客員教授などを務める。