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 海外の主要自動車メーカーが軒並み出展しないという異常事態。出展企業自体も前回の半分以下で、企画展示の多い会場からは、主催者が会場を「埋める」ことに苦心したあとがうかがえた。国内自動車メーカーもコンセプト車の数を絞り込むなど縮小ムードだったが、市販を想定するものが多く、中身の濃い展示が出そろった。

図 前回の半分以下の規模で開催
一般公開日でも、例年より混雑は少なかった。

 出展企業数は241社から108社に、展示面積は4万4587m2から2万1259m2に――。2007年の前回ショーに比べて半分以下という規模で開催された今回の東京モーターショーは、総来場者数も61万4400人と、前回の142万5800人に対して4割強に激減した(図)。
 出展各社もブースの規模を縮小、出展品目も絞り込んだが、その分、出展された車両の完成度は高まった印象を受けた。出展内容は、ここ数年続く電動化の流れを引き継いでいるが、今回は電気自動車(EV)の出展が増加する一方で、内燃機関の可能性を追求しようという動きも目立った。
 今回のモーターショーでまず注目されるのは、トヨタ自動車とホンダが、コンセプト車とはいえEVを出展したことだろう。両社ともに、小型のシティコミューターという位置づけだが、これまで両社ともEVは航続距離が足りず、ハイブリッド車の次は燃料電池車、という方向を打ち出していたことを考えれば、微妙な軌道修正ともとれる。
 ホンダの「EV-N」は、かつての軽乗用車「N360」をほうふつとさせるデザインで、フロントグリルに約300個配置したLEDが点滅し、歩行者に「どうぞ渡ってください」などのメッセージを伝える「メッセージボード」を備えたのが特徴だ。
 トヨタが出展した「FT-EVII」はEV専用にプラットフォームを開発したのが特徴。エンジンルームが不要なため、「iQ」と同等の室内空間を確保しながら、全長は255mm、全高は10mm小さく、ホイールベースは100mm短くした。

以下,『日経Automotive Technology』2010年1月号に掲載