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「実践モジュラーデザイン」は,売れる製品とバランスさせ,最適な部品数で利益構造を改善する「モジュラーデザイン(MD)」について,体系的・実践的に解説するコラムです。

 第8回「設計のモジュール化(1)」では,機械(メカ)システムでの設計のモジュール化と設計手順書の作成について説明した。近年はメカ単独ではなく,メカ,電気(エレキ),組み込みソフトウエアを融合したデジタル製品の比重が増えている。今回は,メカ/エレキ/ソフト融合システムでの設計のモジュール化と設計手順書の作成について解説する。

 メカ/エレキ/ソフト融合システムの開発効率化のキーは,エレキとソフトである。開発工数で見た場合,デジタルカメラにおけるメカの割合は約25%で,残りはエレキとソフトが占めるといわれる。ソフトがモジュール化されていないために品質が安定せず,バグが頻繁に発生して製品回収という深刻な事態に陥るケースが増えている。

 こうした問題に対し,ソフト開発を効率化するためのCASE(ComputerAided Software Engineering,コンピュータによるソフト開発支援)ツールが開発されたり,要件定義を厳密化するための“要求工学”なる新たな領域の研究が進められたりしている。筆者は,デジタル製品システムの標準化およびモジュール化を進める条件は次の三つであると考える。

〔以下,日経ものづくり2009年12月号に掲載〕

日野三十四(ひの・さとし)
モノづくり経営研究所イマジン 所長,日本IBM 顧問
1968年に自動車メーカーに入社。1980年にトヨタ自動車のベンチマーキング開始。1988年にトヨタの部品共通化能力を超える手法を目指し,MDの研究を開始。2000年に経営コンサルタントとして独立。2002年に『トヨタ経営システムの研究』(ダイヤモンド社)を出版(韓,台,米,タイ,中で翻訳出版)。2003年に日本ナレッジ・マネジメント学会から研究賞受賞。2003年から日韓の重工業や電機メーカーなどでMDをコンサルティング。2007年に“製造業のノーベル賞”といわれる米Shingo Prizeから研究賞受賞。2008年から日本IBM顧問。