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家庭用ゲーム機向けサービスを基盤に

 時計の針を戻したかのような会見だった。

 2009年11月に開かれたソニーの経営方針説明会。不振の同社による巻き返し策の中心は,テレビや家庭用ゲーム機などの中核事業の収益確保と,家庭用ゲーム機「プレイステーション 3(PS3)」を基盤にした家電向けインターネット・サービスの立ち上げだった。同社は前期(2009年3月期)の連結決算で,14年ぶりの営業赤字に転落し,赤字額は過去最大の2278億円になった。今期(2010年3月期)の営業損益は上方修正したものの,600億円の赤字を見込む。主因はエレクトロニクス事業の不振だ。

 6年半前。ソニーが2003年1~3月期に計上した1164億円の営業赤字は,ハイテク株を中心とする株式相場の下落を誘発した。いわゆる「ソニーショック」である。直後に同社が開いた経営方針説明会の中心も,中核事業の強化と,家庭用ゲーム機とAV(オーディオ・ビジュアル)機器の融合を目指すネットワーク家電「PSX」だった。発売する機器や実現手段は異なっても,ほぼ同じ方向性の戦略を打ち出さざるを得ないところに,ソニーの苦悩が透けて見える。

『日経エレクトロニクス』2009年12月14日号より一部掲載

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