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 Legacy companies──。今や米国有数のテレビ・メーカーとなった米VIZIO Inc.の経営トップ,William Wang(王蔚)氏は,ソニーなどのCRTテレビ時代から続くメーカーを,今回のインタビューでこう呼んだ。「旧時代の企業」という意味である。
 この自信は,数字に裏付けられている。米iSuppli Corp.によれば,VIZIO社の2009年第3四半期における液晶テレビの販売台数は,実に前年比87%増。同じ期の市場全体の伸び率11%と比べて驚異的である。2007年以降,続々と特許係争を仕掛けられたVIZIO社だが,持ちこたえた。
 ライバル各社は,機能などでVIZIO社に差をつけようと懸命だ。しかしリフレッシュ・レートの高速化や,LEDバックライトの採用でもVIZIO社は,数四半期しか遅れなかった。もちろん価格はVIZIO社の方が安く,外観デザインなどの評判も悪くない。
 強さの源泉はどこにあるのか,VIZIO社のWang氏に聞いた。(聞き手は大槻 智洋=日経エレクトロニクス)

(写真:加藤 康)

── なぜ安くて良いテレビを一貫して市場投入できるのでしょうか。

 安いテレビを作ろうとすると,安い部品を使おうと一般的には考えがちです。でも今,そこに力を割くことは決して得策ではない。優れた企業と強い協力関係を結ぶことこそが大切なのです。

 私たちはテレビの設計や製造を台湾AmTRAN Technology Co., Ltd.(瑞軒)と,台湾Hon Hai Precision Industry Co., Ltd.(鴻海),台湾系の香港TPV Technology Ltd.(冠捷)に委託しています。いずれもパソコン産業で巨大化した企業です。私が台湾出身であることは,これらとの関係構築に極めて大きく役立っています。

 販路においては米Costco Wholesale Corp.などとの取引関係がとても重要です。既存の家電量販店のように高いコスト構造を持っていたり,高い粗利を要求したりする流通チャネルを使っていては,実売価格は下がりません。私たちが安くて良いものを提供し会社を成長させたいと願っていても,実現しない。

『日経エレクトロニクス』2009年12月14日号より一部掲載

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