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「固まり始めるまでは余裕があるので接着の位置決め作業は慌てずに済み,かつ紫外線を照射すれば約5秒で表面が硬化するシアノアクリレート系接着剤」「汎用品の約100倍のガスバリア性を備えたエポキシ系接着剤」など,従来にはない尖った特性を備えた個性派の新型接着剤が増えている。ユーザーにとっては,接着剤の適用の幅が広がる,製品の付加価値を向上できる,などの利点がある。

 異種材料の接合が可能ならば,比重の軽い素材への転換が容易になる。面での接合ができれば,点接合の場合よりも接合対象の剛性を高められ,高剛性化によるゆとり分を接合対象の薄肉化に振り向けることが可能になる。

 接着剤ならこうしたことが実現できる上,微小な部品や薄い部品でも接合できるし,シールとしても機能したりする。こうした利点から,自動車や航空機,鉄道車両の軽量化,電気電子機器の小型・薄型化などの進展に相まって,接着剤が再び注目を集めている。

 それによって,接着剤がさらに幅広い用途で使われるようになり,接着剤へのニーズが高度・多様化。 接着強度が高く大きな負荷がかかる用途で使える,柔軟性に優れ振動に強い,酸素を遮断して酸化を防止できる──など,適用対象ごとにより適した接着剤が求められるようになってきている。

 そして,それに応えようと,既存の接着剤の枠にとらわれない,さまざまな分野での知見を接着剤の開発に生かそうというメーカーや研究機関が現れ始めた。食品包装材,コネクタ,建築用シーリング材などでの経験を基に,万能型ではなく,ガスバリア性や硬化速度,柔軟性,接着強度などある種の特性を狙い撃ちして強化した個性派の新型接着剤を次々と開発している。

〔以下,日経ものづくり2010年1月号に掲載〕