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「勝つ設計」は,日本のVEの第一人者である佐藤嘉彦氏のコラム。安さばかりを求めて技術を流出させ,競争力や創造力を失った日本。管理技術がこれまでの成長を支えてきたという教訓を忘れた製造業。こうした現状を打破し,再び栄光をつかむための製品開発の在り方を考える。

 前回の「原価企画の実践(I)」ではコストテーブルを引き合いに出しながら,設計者によるコスト管理の重要性を解説した。このコスト管理と絡んで浮上するのが内外製,すなわち内製にするか外製にするかという重大な問題だ。内外製には設計の内外製とものづくり(製造)の内外製の二つがあるが,これらをどう選択するかは勝つ設計のための重要なポイントといえる。

 設計の内外製を決めるには,自社でどこまで設計するのか,パートナーにはどの部分を設計してもらうのかをはっきりさせなければならない。特に外製の場合,発注者側には絶対に譲れない仕様部分がある。一方,受注者側には発注者側の要求を最適な構造で具現化する力が求められる。つまり,パートナーの力量によって設計の分担範囲(範ちゅうの仕分け)が決定する。

 発注者は仕様書を出せば済むケースから,レイアウトや細部の配置/構造を図面化するケースまである。これを受けるパートナーについては,既存部品の流用や保有設備/機械の能力/工程を勘案しながら設計する。設計分担は,まさにケースバイケースだ。

〔以下,日経ものづくり2010年1月号に掲載〕

佐藤嘉彦(さとう・よしひこ)
VPM技術研究所 所長
1944年生まれ。1963年に,いすゞ自動車入社。原価企画・管理担当部長や原価技術推進部長などを歴任し,同社の原価改善を推し進める。その間に,いすゞ(佐藤)式テアダウン法を確立し,日本のテアダウンの礎を築く。1988年に米国VE協会(SAVE)より日本の自動車業界で最初のCVS(Certifi ed Value Specialist)に認定,1995年には日本人初のSAVE Fellowになるなど,日本におけるVE,テアダウンの第一人者。1999年に同社を退職し,VPM技術研究所所長に就任。コンサルタントとして今も,ものづくりの現場を回り続ける。