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Acer社は,もはやメーカーではない。水平分業が進んだパソコン業界で勝ち上がるため,「商社」というべきビジネスモデルを構築した。同社の実態からは,水平分業を極めた民生機器メーカーの行き先の一つが透けて見える。

HP社に襲いかかる
Acer社は2000年以降,一貫してノート・パソコンのシェアを伸ばしている唯一の大手企業である。Gartner社のデータ。

 「2010年には,ノート・パソコンの世界出荷台数シェアでトップに立つだろう」。台湾Acer Inc.(宏碁)が今,こうささやかれるほどの成長を遂げている。2009年第3四半期には首位の米Hewlett-Packard Co.(HP社)とわずか1.2%差にまで迫った。デスクトップとノート,PCサーバーを合計した出荷台数でも同期に米Dell Inc.を抜き去り,初めて2位に立った。

 当然,業績はうなぎ登りだ。連結売上高は2008年に1.8兆円。他社が景気低迷に苦しんだ2009年も,台湾ドル・ベースで8%程度の成長が見込まれている。

メーカーではない

 ここまで慣例に従ってAcer社をパソコン・メーカーと呼んだが,実は,それは同社の特異的なビジネスモデルと懸け離れている。同社は,水平分業が高度に進行したパソコン産業で勝ち上がるため,新たなビジネスモデルの構築に「最大の関心を払ってきた」(同社 ChairmanのJ. T. Wang(王振堂)氏)。その結果,売りたい企業と買いたい企業をつなぐ「商社」そのものといえるモデルを作り出した。台湾Daiwa Securities SMBC-Cathay(大和国泰)社のアナリストCalvin Huang(黄文堯)氏は言う。「Acer社は決して技術会社ではない」と。

『日経エレクトロニクス』2009年12月28日号より一部掲載

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