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鈴木 剛司
新エネルギー・産業技術総合開発機構 欧州事務所 次長

 最近,欧州ではスマートグリッドに関する実証レベルでのプロジェクトが相次いで始動している。

 欧州連合(EU)は2008年12月,低炭素社会に移行し,エネルギー安全保障を高めることなどを目的として,エネルギーと気候変動の政策パッケージ「EU 2020 Package」を公表した。同パッケージでは,(1)2020年までに温室効果ガスの排出量を1990年比で20%削減する,(2)EU域内のエネルギー消費全体の20%を再生可能エネルギーから供給する,(3)電力の消費量を20%削減する,という目標を定め,それを達成するための具体的な政策などを掲げている。各国で開始されたプロジェクトは,この目標達成を目指したものである。

 中でも注目度が高いのが,欧州の他の都市に先立って「インテリジェント・シティー」の実現を目指し,2025年までにCO2排出量を1990年比で 40%削減するという野心的な目標を設定したオランダの首都・アムステルダム市である。同市は,この目標を「アムステルダム気候対策プログラム」の中で設定し,それを実現するための施策として「アムステルダム・スマートシティー(ASC:Amsterdam Smart City)プログラム」を策定した。このプログラムは,持続可能かつ経済的に実行可能なプロジェクトを企画・遂行することによって温室効果ガスの排出量を削減し,EU 2020 Packageで設定した目標達成に貢献することなどを目的としている。

2009年春に第1弾が開始

 ASCプログラムでは,住宅や商業施設,公共の建物やスペース,交通機関におけるエネルギー消費量の削減などを目指す。具体的には,(1)持続可能な生活,(2)持続可能な労働,(3)持続可能な運輸,(4)持続可能な公共スペース,を掲げ,太陽光や風力,廃棄物発電など再生可能エネルギーの導入,自転車利用促進のための専用道路の整備や,路面電車など公共交通機関の利便性向上などを図る。

『日経エレクトロニクス』2008年12月28日号より一部掲載

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