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Si基板を利用したGaN系パワー素子の取り組み例

 次世代のパワー半導体として期待を集める,GaN系パワー素子の研究開発が盛り上がり始めた。既に富士通研究所,あるいは古河電気工業らのグループ,米International Rectifier社,サンケン電気などが研究開発に乗り出しているが,ここにきて新たに,NECとNECエレクトロニクスのグループ,そしてパナソニックが名乗りを上げた。両陣営は,GaN系パワー素子の研究開発成果を,2009年12月に開催された半導体製造技術関連の国際学会「2009 IEEE International Electron Devices Meeting(IEDM 2009)」で発表した。

 GaN系パワー素子の研究開発が活発化しているのは,インバータやコンバータといった電力変換器に利用することで,現行のSi系パワー素子を使うよりも大幅な効率向上や小型化が可能になるためである。

 GaN系パワー素子の研究開発をめぐる現在の焦点の一つは,基板の選択にある。GaN基板はGaN系パワー素子の電気特性を高めやすい半面,価格が高いという欠点がある。このため,コストの抑制を狙ってSi基板やSiC基板などの異種基板を採用するメーカーが増えつつある。今回,技術を発表したパナソニックやNECグループも,Si基板を採用している。両陣営とも,Si基板品の開発を進める他社とほぼ同時期となる2011年ごろの実用化を目指す。

1チップでインバータとして機能

 パナソニックが発表したSi基板品の特徴は,1チップに6素子を集積化したこと。これにより,別素子を利用してインバータを構成する場合に比べてインバータの小型化や寄生インダクタンスの低減が可能になる。寄生インダクタンスが小さくなるほど高速にスイッチングできる。

『日経エレクトロニクス』2010年1月11日号より一部掲載

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